Prime昇天 

 センターのメインパソコンとして使っていた「Prime」のHDDがとうとう昇天してしまった。カタン、カタン、カタンと、昔の足踏みミシンのような、HDDとしては奇異な音を発していたのだが、とうとう起動不可になってしまったのだ。1回だけ本体をぶったたくというショック療法を施したらなんとか起動したのだが、SCANDISKをかけたら途中でフリーズして、もう2度と起ち上がらなくなった。丹下段平は叫んだ、「立て! 立つんだ、ジョー!」 起動時にBIOSの文字は出るのだがHDDアクセスランプがずっと点灯しっぱなしで次に進まない。最後の頼みの綱であるファイル復活ユーティリティを使おうにもBIOSで認識せず、FDISKもかけられないのでお手上げだ。別のマザーボードにつなぎ直してみても同じ状態なのでHDDの物理的な損壊と判断した。
 今にして思えば危篤状態のときに主なデータフォルダだけでも別のHDDにバックアップしておけばよかったと悔やまれてならない・・・。別パーティションにバックアップすることだけはしていたのだが、そんなの壊れるときは丸ごと1個全部壊れてしまうんだから意味なんかないやい、グスン。約2年という短い命だった。関東に3年振りという大雪が降ってから4日後のことだった。ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 南無八幡大菩薩 チーン・・・
 悲しんでばかりもいられないってんで、20GBのIDE-HDDと遅まきながら同じく20GBの外付けSCSI-HDDを買ってきてまずIDE-HDDを取り付け、BIOSで自動認識させようと思ったら認識しない。CHSパラメーターを入力したが全容量の半分ぐらいしか認識しない。で、マザーボードを買い換えようということになってAOpenのやつを買ってきてHDDをつなぎ直し、CPU、メモリ、拡張カード類も全部お引越し、ケーブルも付け替えてセットアップして、さーて恐る恐るスイッチオン。DELキーでBIOSに入り、確認してみると、なななな、なんと、自動的に認識されているではないか、容量も正しく認識されているぜ。って、今日びそれが当り前なんだけどさ。必要な設定を終えてSAVEして再起動。WINDOWS起動ディスクで起ち上げてFDISKとFORMATをかける。やれやれ、ここまできたらあとはお約束のOSセットアップ。Win2000アップグレード版を使ってのクリーンインストール。互換性チェックの場面でちょっとつまづきかけたけど無事通過してセットアップ終了。ほっとひと安心。ところで今思えば元のマザボはBIOSのアップデートをしたらHDD自動認識できたかもしれないね。

 思うにバックアップというのは、そのファイルなりデータなりをどれほど重要と考えているかという評価のバロメーターなのであって、別の場所にバックアップを取っておかなかったということは、逆に言えば、そのデータを失ってもかまわないと考えていたというか、セキュリティに対する考え方が非常に甘かったということなんだよね、事実上。オイラなんかCG関係のファイルは3重にバックアップ取ってあるんだよ。もっとも厳密に言えば1ヶ所でいくら何重にバックアップ取ってあってもいざとなったら無意味なんだけどね、火事とか水害とか。まあ人間、痛い目に会わなければそのものごとの本質とか重要性がわからない、実に因果な生き物でして。ってゆうてる場合か! なんでそーなるの! つらつら考えてみるに、いくつか思い当たりますが。
 まず、ずーっと前から気になっていたことは、システムの起動中にキーボードの上に物を置いたり、無意識のうちに触っちゃったり、弁当を食べるために上にあげたり横に置いたりすること、つまり不用意にキーが押されてしまうこと。パソコンを使うに十分な広さの机が置けない。これは事務所が極狭なのでしょうがないっちゃしょうがない。
 それから個人的・恣意的な使い方を平気で許しているってこと。PCから音が出るってのが正常な状態なのに音が出なくてもぜんぜん気にとめない。そりゃあビジネスソフトを使うのにサウンドなんか必要ないって言えば言えるよ。でも音が出せないっていうのと音を出さない設定で使うっていうことはぜんぜん違うんだよ。なんとなれば視覚障害者の人にとっては音は重要な情報源なんだけど、そういう認識がないってことは問題だと思うよ。センターには現在6台もパソコンがあるのにまともにサウンドが出るのは1台か2台? もう一度いうけど「出さない」んじゃなくて「出せない」んだ。「特打」でバキューンていう音が出なくて、それでいいと思っている神経がわからない。
 また複数のユーザーがいて、LANを組んでいるにもかかわらず、ネットワーク・マルチユーザー環境には不適切で、「使えば使うほど壊れゆくOS」と言われているWindows 9xを使っていること。とはいえWin2000を使うにはあまりに貧弱すぎるスペックの本体しかない。見かねて本体をカンパしようかと提案したら会議にかけなければならないとかなんとかわけのわからない理由を持ち出して流してしまう。なんなんだよ、それって。
 さらにアプリケーションソフトの使い方にも問題が多い。わかりやすいファイル名を意識的につける、保存したフォルダを覚えておく、編集作業が長時間にわたる場合には途中で何度か保存する、作業を終えるかあるいはしばらく机を離れるときにはファイルを保存したあとソフトを終了させる、ファイルやソフトを開きっぱなしにしない・・・etc。
 こんなのPCを使うときのごくごく初歩的・基本的なことがらなんだけどぜんぜん守られていない。個人が自宅で使ってるんじゃないんだからさあ。
 やんなっちゃうよ、もー。よーするにー、PCを使うには物理的・ハード的・ソフト的・人的環境があまりにお粗末ってこと。それを言っちゃあおしまいだよ、タコ社長! ってんなら上に書いたことをひとつでも実現してほしいよ、Brother!

「Prime」

「DOS/Vパラダイス」のショップブランドパソコンのひとつ

主なスペック
・CPU: CELERON 500MHz
・メモリ: 128MB
・HDD: 10GB
・ビデオカード: 3dfx
・光学ドライブ: CD-ROMドライブ、MOドライブ(内蔵)
・LAN: COREGA FETHER PCI-TX
・SCSI: TEKRAM DC390F(術後、I・O DATAのSC-UPCIに変更)
・サウンド: DIAMOND MULTIMEDIA Monster Sound MX300(術後、CREATIVEのVIBRA128に変更)

(SYS担)